アディポフィリング
カプロ・リサーチグループ
Capurro Research
Publications
sergio.capurro@fastwebnet.it
私達は、吸い出された、または外科手術により取り除かれた脂肪組織を機械で分解し、脂肪細胞と結合組織でつくられた「注入剤」を手にする簡単な方法をご説明いたします。この「天然注入剤」は、膚の奥とごく表面両方のボリューム不足を補正するために注入することができます。
実施された処置の結果は、時間がたっても安定しているようです。キッチンミキサーで機械処理された脂肪の標準化された粒子測定法のおかげで、この技術(アディポフィリング)は,
脂肪移植の生存、増殖の研究の役に立ち、注入された細胞の移植と細胞選択の方法を改善することを狙いとしています。
キーワード:脂肪充填術、リポストラクチャー、アディポフィリング
体の一部に脂肪組織を用いて注入する技術は、脂肪充填術(リポフィリング)と通常呼ばれています。近年、この技術は脂肪吸引の際に取り除かれた組織を使用しており、外皮の縮みや垂れ防止、痛ましい一次組織また二次組織を失った後の美容形成手術において使われています。二次組織の欠損は、エイズ治療で使われるプロテアーゼ阻害剤にしばしば起因します。幹細胞研究の近年の進歩が明らかにしたことは、脂肪組織が多数の幹細胞を含むことで、この発見は医療にとってかなりの影響を持ちます。
脂肪充填術の分野の研究は、移植された脂肪片の生存率を改善することに主に焦点を当てています。さらなる研究の領域は、安価な天然「注入剤」として脂肪組織の利用法を改善することに焦点を当てています。
提案された処置は以下を含みます。口径の小さいカヌーラによる脂肪吸引、遠心分離と多くの異なる場所(1-2)への脂肪組織微量の注入、生きている組織を分離・再移植するために除去されたばかりの脂肪を目の細かいガーゼで濾過、そして、脂肪片あるいは、リンパ液(5)移植後の期間において、リポリシスを整えるためにインシュリン(3)またベータ受容体遮断薬(4)の追加。
脂肪組織の"小裂片"は、注入可能な市販注入剤ほど用途が広くはありません。移植組織の小裂片の構造は均一に表面を広がることをより難しくします。そのうえ、注入された脂肪組織の生き残りは、多くの要因によって影響される可能性があるため増殖可能ではありません。それらは、年齢、吸引方式、移植場所での血管形成組織の準備、脂肪細胞の大きさ、組織が除去された部位の特質、移植組織技術、代謝状態、例えば喫煙や投薬治療などの習慣です。しかし我々の意見では、最も明白な変化原因は注入された小裂片の大きさにあります。実際、サイズが小さいほど栄養分をとり、より早くより確実に移植が定着することが認められます。脂肪組織の大きな小裂片では、中心部の細胞で壊死、再吸収、また石灰沈着を招きやすいのです。このことこが豊胸手術においての脂肪充填術(リポフィリング)の使用を制限しています。
感触そして、見た目の変化のようなリスクは、表面注入または定量以上の注入に起因することも確証されています。このような結果は、あまりにも多量すぎるため、移植された小裂片に栄養分を与える難しさに由来するとされています。このような困難を予防する試みとして、脂肪組織は、小さなカニューレで除去され、少量がマイクロ・カニューレにより開けられたいくつかの穴から移植されます。これには、注射器の反復運動を実行することを含みます。しかし、この行為は、かなりの痛みを伴います。これらの弱点を克服し、より用途が広くより痛みを伴わずに脂肪組織から注入剤を作るために、私達は簡単で安価な処置考案し、それにより、脂肪吸引による脂肪組織の小裂片、腹部整形による脂肪組織の断片は分離します。この結果として生じる細胞と結合組織は注入剤として、18Gまたより細い注射により注入することができます。
従来の脂肪充填術と同じように、移植を提供する部位と脂肪細胞と結合組織で豊かにする顔や体の部位は線で印をつけなければなりません。選び出されなければならず、必要な素材の分量を、望ましい効果を得るために定めなければなりません。ボリュームアップの処置において、取り出される脂肪片の総量は矯正のために必要とする量より3倍は多くなくてはなりません。
麻酔は、モディファイド・クライン溶液を用いて行われます(生理的溶液は乳酸塩リンガー溶液に置き換えられます)。脂肪組織の移植片は移植提供部位から、注入される分量に応じて、60mlのシリンジと、3、4、5mmのカニューレよって取り除かれます。口径の小さいカニューレは、吸い出された組織をより傷つけやすいので避けるべきです。この確信は位置的考察に基づきます。大きな直径のカニューレを使用するということは、吸い出された組織がカニューレの内側に直接触れるのが少ないことを意味し、明らかに、より少量の素材が内側との摩擦による潜在的ダメージを受けることになります。一度取り除かれると、脂肪組織の小裂片はガラス容器の中で乳酸塩リンガー溶液で洗浄されます。洗浄液は、カニューレを用いて容器から吸い出され、無色になるまで繰り返し取り替えられます。洗浄することで血液と、脂肪細胞で潜在的にグルコース移行、培養組織(6)で成長を阻止するリドカインを取り除きます。脂肪組織は、腹部整形の際、除去される余分な皮膚と脂肪から得ることも可能です。
あらかじめ決められた分量(最低20ml)の脂肪組織片を脂肪吸引によって採取し洗浄したら、結果として生じる素材(最高100ml)を直径6.5cmで容量250mlのガラス容器に注ぎ、乳酸塩リンガー溶液50mlを加えます。脂肪組織から細胞を採取するために用いられる処置は、キッチンミキサー(フィリップス・エッセンス)を用いて行われる4つまたは5つの段階から成り、そのミキサーのヘッドは、オートクレーブ(図1)で殺菌することができます。

ミキサーのブレードは、約25回の使用後にチェックして、必要に応じて研ぎ、または交換します。このように採取した(図2-3)脂肪細胞と結合素材は、プランジャーが取り除かれた容量20mlのシリンジに注ぎ入れます。


シリンジはそれからプラスチック・キャップで封をし(Tip guardTM, Scanlan International,
US)、低速(200g)で、1分間遠心分離機にかけます。遠心分離後、シリンジの底の上澄みを捨てます。この液体を除去したら、シリンジの開口部を指でふさぎ、プランジャーを2-3ミリまで差し込み、シリンジをひっくりかえします。
この段階の後、取り除かれた脂肪の量は、小裂片が脂肪細胞に分解し、結合素材もバラバラになり、ほとんど半分まで減っているはずです。この処置で脂肪組織を取り扱う際、遠心分離後のシリンジ表面での液体脂肪の欠如また最低限しかないことで示されるように、ごくわずかな細胞の破損を引き起こします。
脂肪細胞・結合組織成分もまた腹部整形で採取される皮下組織に由来します。この場合、ミキサー(図4)を使う前に、皮下の組織を小さく切り分けなければならず、上記の第4段階の処置は3回行わなければなりません。

脂肪細胞と結合素材を遠心分離機にかけられ、洗浄液が除去されたら、注入剤に変化した脂肪組織は注入の準備ができています。この段階でもし必要なら、補助剤を加えることができます。
大量に注入する際には、直径2mmのカニューレと容積20mlのシリンジを使用し、少量を注入する際には細胞成分を18G針での注射をするので、より小型の(2.5や1ml)シリンジに移すために接続チューブを使用します。注射を深部または、ちょうど真皮の下に行うことができます。注射の間、静脈注射を避けるために針を動かしたままにしなければなりません。注射の後、移植部位を、ちょうど注入剤を使用するときと同じように、指で形作ったり、ならしたりすることができます。注射による痛みは、その際に使用される麻酔クリームまた局所麻酔により、和らげることができます。エピネフリンなしのリドカイン1%は、真皮には浸透したものの、皮下脂肪組織には浸透しませんでした。別の方法として、この処置を全身麻酔で行うことができます。手術後の経過は良好で、斑状出血も適度です。
アディポフィリングをいくつかの目的のために使うことができます。左右アンバランスな胸(図5)の矯正、また豊胸のため、ブレストプロステーゼ(図6)挿入後の美的外見向上のため、プロステーゼ(図7)の縁の触覚を取り除くため、 皮下組織損失を元に戻すため、傷跡やにきび痕の美的外見を向上するため、リップライン(図8)を強調するため、顔の部位(図9・10)を補充するため、眼瞼形成術の後や、若々しい外見を目周りに取り戻すため。






またアディポフィリングは、鼻の皮膚若返りのため、そして、鼻形成術(図11)とエラスティックサスペンションフェイスリフト後、より自然で、均整のとれた結果を得るため、顔の非対称を調整するため、若々しい外見を復元するために、潰瘍の治癒を促進するため、その他の目的のために使用されます。

2003以来、私どもは55人の患者を治療しました。最初(20%の)に治療した患者で、私どもは必要とされる組織の量を過小評価し、6ヵ月後に望まれるボリュームを得るために更なる手術を行いました。どの患者も、3度目の手術を必要としませんでした。総じて、年齢、代謝状態、喫煙のような習慣、投薬治療により、移植の成功が患者ごとに異なるかもしれないものの、この処置は非常に良好な結果を出していると思われます。移植のショックによる最初のむくみの後、液体は再吸収されて脂肪細胞はわずかに縮むものの、約30日以内で彼らの適当なボリュームを回復します。私どもの全ての処置で、安定した結果が保たれています。胸部に6ヵ月ごと行われる超音波検査がボリュームを保持していることを確認しました。脂肪充填術(リポフィリング)の1年また2年後に行われる乳房X線撮影で、石炭沈着はこれまで認められていません。脂肪細胞と結合素材の表面注射は、まぶたや唇のような非常にデリケートな箇所でさえ、目で見て触ってわかる変化を、ただ1人の患者にさえも、これまで引き起こしたことがありません。アディポフィリングは注入された素材が、均一に表面に広がるのを可能にし、また、皮膚の傷跡の審美上外見を向上させるのために、効率的に用いられてきました。
注入する組織成分の大きさを減らすためのこの簡単な技術は、脂肪を皮下の天然「注入剤」として脂肪を使う可能性を開きます。基部そして、最大限にインシュリンが活性化された状態(7)の下で測られたグルコース輸送力が示唆するように、脂肪細胞は、とても現実性があると思うことができます。この研究において、脂肪細胞は、コラーゲン消化機能(8-9)によりサンプル1gから分離しました。アディポフィリングの際に採取した細胞と結合素材真皮の下に注入しました。注射はわずかな痛みを引き起こし、18Gの針でさえ行うことができました。注入した素材の分布は最適で、均一な分布を確実するための、痛みを伴うシリンジの繰り返す動きをする必要がありませんでした。素材がきわめて表面に注入された時でさえ、目に見え触って分る変化は1つも起きませんでした。多量の素材も合併症が起きることなく注入され、それによって素材の成形と分布を容易にしました。全く石灰沈着も起こらず、分離した細胞はlobularクラスタに比べ、より良好な生存率を示しました。考えられるアディポフィリングの合併症は、静脈注射のリスクで、このリスクは、18Gの針を注射の間動かしておくことにより、回避できます。 そのうえ、記述された技術により細胞組織を分解することは注入された素材の粒子測定法が標準化されるのを可能にします。アディポフィリングの結果が提案するのは、変わりやすい移植組織の生存問題、注入された細胞の生存率向上のための試薬の選択、そして細胞選択の方法を、さらに調査しなければならないということです。最後に、記述された技術は、結合組織にある幹細胞を含む、細胞群のきわめて簡単な使用に頼り、それは、再生医療の新しい概念と一致しています。アディポフィリングは、乳房や臀部のボリュームを増やし望み通りの形を手にすることを可能にすることにおいて特に有望です。顔面に使用すると、アディポフィリングは左右のアンバランスを矯正することができ、脂肪細胞の薄く完璧な層と真皮の下に結合組織をつくり、それによって、外見を若返らせます。鼻部では、アディポフィリングは、鼻形成術(図11参照)が残した外科手術跡を修正し、更なる痛みを伴い複雑な手術を不必要にします。現在の臨床実験は、もし私どもが信じるように、技術が他の人によって受け入れられれば可能になり、今後の実験調査と臨床試験のための出発点として考えられるべきなのです。
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